エコットハウスは
パッシブ換気を推奨します
パッシブ換気とは?
札幌市清田区のエコットハウス(松浦建設)は、パッシブ換気床下暖房システムをご提案しています。
「きれいな空気の中で快適に暮らす」 このことを実現するために、一般的な住宅の多くはモーターファンをまわす「機械換気」を利用しているのが現状です。
しかし常に電力を消費し続けるほか、機械である以上、故障、寿命の問題があり、3か月に1回はフィルターの掃除や点検も欠かせません。その点、パッシブ換気は自然の力だけで空気をゆっくり循環させるため、電力消費もゼロ。フィルター掃除の負担もなく半永久的に動き続けます。
このページでは、住宅の換気システムの抱える課題と、解決策についてお伝えします。
住宅の換気は
家づくりの重要課題
エコットハウスは、自由設計の注文住宅をご提案するハウスメーカーです。住宅性能、デザイン、ご予算、ライフスタイル、室内空気環境、将来を見据えたプラン、耐久性、生活動線などさまざまなポイントをお客様と一緒に考え、実現させていきます。
とはいえ、住宅のハード(基本構造)面に関しては、住宅建築のプロの責任を果たすために、品質、性能、住み心地、耐久性、コストなどを総合的に踏まえ、
- 1メートル断熱トリプル(高気密高断熱の家づくり)
- パッシブ換気床下暖房システム(自然の力で綺麗な室内空気)
- メンテナンスフリーの外壁材(次世代レンガなど高品質外壁材)
の3点は、エコットハウス(松浦建設)の提案として、住宅会社側から積極的にご提案させていただいております。
安さやデザイン性だけの家づくりであれば、上記1~3はなくても家は建ちます。しかし、
1が不十分なら 住宅の結露、光熱費負担の大きさなどに悩むリスクがありますし、
2が不十分なら 後述しますが、室内空気環境と住人の健康が危うくなります。
3が不十分なら 10年後などに、リフォーム・営繕工事などの費用が高くなってしまいます。
この3点の中で、特に「2」のパッシブ換気については、そもそも換気の重要性、そしてパッシブ換気の良さについてご存じない方も多いと思います。
しかし住宅の換気は、きわめて重要で、課題がたくさんある部分です。そこで今回は、住宅の換気選びとパッシブ換気のメリットについてご紹介します。
室内から汚れた空気と
余分な水蒸気を排出するのが換気の役目
呼吸や発汗、調理など、私たちは暮らしているだけで、室内に二酸化炭素や水蒸気、臭気などを発散しています。ペットのにおいや、家具・カーペットなどからの揮発性有機化合物(VOC)なども増え続けます。それらは特に、住宅内の空気がよどんでいる場所に溜まります。
住人は毎日そこで過ごしているので、においなどに慣れて気づかないこともありますが、来客は気づきますし、空気が汚れていると健康面などにも影響があります。また、室内で増加した水蒸気が住宅内の室温の低い部分(窓まわりや押し入れの中、壁の中)で結露し、木材やクロスなどのカビ、腐朽、断熱材の性能悪化などを招き、住宅そのものにダメージを与えてしまうこともあります。
こうした問題を防ぎ、住民と住宅を守るために換気システムの選択は重要になります。ハウスメーカー・工務店は、自社が採用する換気システムをほぼ決めています。またなぜ、その換気システムを選んでいるかを詳しくお客様に説明することも少ないと思います。なので皆様は、各自、事前に換気システムを選んでから住宅会社を選んだほうが良いかと思います。
機械換気が主流。
でも深刻な問題がある
建築基準法は、ホルムアルデヒドなど、有害化学物質による健康被害を防ぐため、1時間の間に、室内の空気の約半分を入れ替えることができる換気システムの設置を義務付けています。そのため、現代の新築住宅は、ほとんどが24時間、機械の力で換気し続ける機械換気を採用しています。しかしこの機械換気が、私たちの暮らしと住宅に大きな問題を発生させています。
機械換気の問題
3か月に1回のフィルター掃除は実質無理…
機械換気は、給気口から機械のパワーで、強制的に屋外の空気を吸い込みます。強い吸引力なので、屋外の空気とともに、花粉や虫、埃なども吸引します。そのため給気口に「フィルター」が必須です。そのフィルターは3か月も経過すると、びっしり汚れが付着し、目詰まりすると換気の流入量を減らしてしまいます。
こうしたフィルターが住宅には、室内に6~10か所もあるのです。ですがそれらのフィルターを3か月に1回、掃除している人は、現実的にはかなり少数派です。「フィルターの掃除」のことを忘れている人も少なくありません。フィルターが目詰まりしたままだと、換気が激減します。室内のにおいや水蒸気、揮発性有機化合物(VOC)が室内にとどまり続け、どんどん蓄積します。
そして多くの方が、住宅内で換気不足による結露やカビ、におい、室内のほこりなどが蓄積し、住民の健康と住宅にダメージが生じていることと、換気フィルターの目詰まりとの関係に気づきません。
こうした問題が数多くの住宅で発生している現実にエコットハウス(松浦建設)は目をつぶることができません。現実として、お客様が換気フィルターの定期清掃ができていないのだったら、定期清掃ができていることを前提とする換気システムを設置してはダメではないかと考えています。
パッシブ換気は
フィルター掃除の負担がない
パッシブ換気は、暖められた空気が上昇する性質を利用した自然のエネルギーだけで空気を循環させる換気方式です。
パッシブ換気システムの仕組みは、この図を参照ください。屋外にある給気口から、地中埋設管を通り、フレッシュな空気を床下に取り入れます。床下の暖房機でその空気を温めると、1階や2階の床下ガラリから、暖かくフレッシュな空気が室内に入ります。
室内に入った空気が、自然対流できるようにプランニングされているため、家全体をもれなく空気が循環し、最終的に家の一番高い部分にある排気塔から汚れた空気が排出されます。外気を取り入れる給気口は、下向きに設置されていて、なおかつ機械の力で吸引しているわけでなく、自然の力でゆるやかに空気を取り入れているので、埃やPM2.5などが侵入する可能性が低い仕組みです。
そのため、給気口にフィルターを付ける必要がないので、3か月に一回の頻度でフィルターを10か所近く掃除しなければならない、という難題に直面することがないのです。
パッシブ換気システムのメリット
床下が常に乾燥状態のため、
構造体も乾燥し住まいの耐久性が向上する
自然の力を動力としているので、
電気代がかからず停電時も換気が作動
長期外出や空き家の状態でも、
家自体は換気を続けるので家の品質が維持できる
フィルターの目詰まりによる換気不良や故障、交換などのメンテナンスが不要
床下に暖房機を配置するため
火傷の心配がなく、家具の配置や掃除もしやすい
機械換気の騒音もなく、静か
空気のよどみができにくいため、
におい溜まりができない
機械換気は過剰換気・過乾燥を招きやすいが、
パッシブ換気は湿度で排気口の換気量を自動調整するので、冬場の乾燥感も少なく快適
床下暖房により建物全体にほとんど温度差がなく、自然な暖かさに包まれる
新築住宅を建てた方が、室内の過乾燥や換気の音の大きさに悩んでいるというケースも実際は少なくありません。パッシブ換気システムはこうした問題も解決できます。
パッシブ換気システムの
信頼と実績
パッシブ換気は北海道大学、北方建築総合研究所が共同開発し、財団法人北海道建築指導センター、北海道建設部建築指導課が推奨する、実用新案を取得した換気システムで、既に多くの住宅で採用され、その有用性が十分に確認されている換気システムです。
NPO法人パッシブシステム研究会の会員が建てたパッシブ換気システムの住宅は道内でもすでに数多く建設されています
(引用:パッシブシステム研究会サイト
https://pv-system.jp/jisseki_map.html)
エコットハウスは、換気方式は「パッシブ換気システム」を標準仕様とし、お客様にもおすすめしています。
パッシブシステム研究会の活動の中で、繪内正道理事長(北海道大学名誉教授)や、住宅の性能、品質への関心の高い住宅会社ともに、パッシブ換気システムの普及拡大に取り組んでいます。
パッシブ換気システムにも難点はあります。住宅の断熱性能や気密性能がかなり高い住宅でなければ、計画通りの換気が機能しないという意味で「住宅会社の施工品質・レベル」が前提条件になっているのです。
具体的には
隙間総統面積(C値) 1.0cm2/m2以下
外皮平均熱還流率(Ua値) 0.36W/m2以下
熱損失係数(Q値) 1.6kcal/m2以下
が最低条件です。優れた換気システムであるにも関わらず、採用できる住宅会社が札幌圏でも数社しかないのはこうした事情もあります。
当社は10年以上、新築住宅の大半でパッシブ換気システムをお客様に提案し、導入させていただいておりますが、お客様からは大変好評をいただいております。逆にご不満、クレームはほとんどありません。換気を意識することなく快適な暮らしを続けていただいているのだと思います。エコットハウスはパッシブ換気のノウハウ、経験が豊富なので、この優れた換気システムを導入してもコストアップになるということもありません。ぜひ安心して採用いただければと思います。
なお、パッシブ換気システムは、外気を床下に取り入れる前に、アースチューブ(地中埋設管)を経由する方式で施工することも可能です。その場合、地温は、冬は外気より暖かく、夏は外気より冷たいので、アースチューブをゆっくり空気が移動するうちに、地熱という自然のエネルギーを生かして多少なりとも快適な室温に近づけてから室内に空気を供給することができます。
この点は、住宅の省エネに関するメリットでもあります。