山之内建築研究所様の設計・監理の札幌市厚別区I様邸では、臥梁(がりょう)工事が終盤をむかえています。
臥梁枠と二階床スラブ枠組と、それぞれの鉄筋組の状況です。 木造では見られない迫力ある施工状況です。 1/4円の床スラブは、「一体、何だろう?」という作業者からの質問には、一人ひとり、きちんと答えましたが、現場レポートをご覧になられている皆様には、まだ秘密です。(お施主様は、もちろん知っています)
コンクリート打設前の型枠・鉄筋・検査を終了し、いよいよ、コンクリートの打設です。 この「臥梁」の施工は、難易度が高いため、なかなか引き受けてくれる施工業者がいませんでした。 繁忙期の為、基礎工事は対応していただけませんでしたが、臥梁工事は、以前に施工した業者で確実な施工を実施できました。
非木造なので、「コンクリートの受け入れ検査」を実施しています。 臥梁という部位は、コンクリート造の梁にあたるか所なので、しっかりコンクリートの品質管理を行いました。 もちろん塩化物試験も実施しています(画像には写っていませんが・・・)。
圧縮試験用のテストピースは6本採取しています。 3本の平均値が試験結果となるため、圧縮試験は2回です。 私は、初期強度確認(脱型時)と4週強度確認のために利用しています。
臥梁コンクリートは、基礎と同様にポンプ車で圧送して作業しますが、木造住宅と異なるのは、打設部位が床から高いという所です。 当然、施工するためには、外部足場や内部ローリングタワーを設置し、作業床を確保しています。
臥梁天端は、この後の木造屋根組のレベルとなるため、左官屋さんによるコテ押さえをしています。 ここでも基礎とは異なり、「天端の精度」と「天端の仕上がり」が求められます。
コンクリート打ち込み作業は、二階のスラブへと移行しています。 臥梁天端より100mm高く、床となる部位です。
施工する面積は少ないのですが、床がコンクリートなので、改めて、木造とは違うという実感が湧きました。 また、どうしても臥梁型枠からコンクリートのノロが流れ出てしまうので、打設しながら清掃作業も行っています。
二階スラブ表面は、一発仕上げではないのですが、今後の仕上げのため、平滑に仕上げます。 写真はまだ、流し込んだコンクリートを一度ならした程度ですが、それでも、すでに平らになっています。
臥梁コンクリートの打設を全て完了しました。 小屋組は木造のため、土台を固定するためのアンカーボルトと構造耐力に有効なホールダウンアンカーボルトも設置しています。(私自身、ゼネコンで特殊建築物の火薬庫新設工事の施工管理をしたことがあります。 火薬が万が一爆発した場合に、横に広がらないように上方に空気が流れるようにした設計で、その時も、木造小屋組みだったため、当時の経験をいかして、I様邸の施工管理もスムーズに行えました。)
ミキサー車、ポンプ車、生コンを流し込むためのバイブレーターなどを使用し、作業者たちも大勢いた現場も、打設後は、静かになります。 誰もいない施工完了後の現場にいると、今度は建築物の方から、小さな声が聞こえるような感じがします。 I様邸は、順調に進んでいることが実感できる瞬間でした!
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