札幌市西区の私の自邸の方は、解体工事が終了しました。 一階部分は、新しい柱や梁入れを開始しました。
白い材料が新しい材料で、濃い色の材料が古い材料です。 間取りもかなり変更したため、残せる構造材が少なくなる事も予想していましたが、できるだけ、古材を多く残せたことに今回のリノベーションの計画が上手くいったという事を実感しました。
しかし、壁の位置が変更となった間仕切りの柱などは、新しい材料が多くなってしまいましたが、少しでも古材の使用を棟梁にお願いし、上手く継手を作ってもらい、自分としてはとても満足のいく構造体となりました!
屋根形状がスノーダクトから寄棟形状に変更となるため、二階の梁は一階取り外しました。 せめて、外周廻りは、古材を残してもらいました。
その後、二階の柱と梁入れ作業へと移行します。 二階の床梁は、他現場の施工管理で忙しく、なかなか自邸の方を見られませんでしたが、二階の梁入れは、一生に一回の家づくりなので、時間を作って、半日立ち会いました。
現在の新築の建て方は、クレーン車を使用しますが、私の家では数人の大工さんで大きな梁を持ち上げながら、昔ながらの手作業での施工を行いました。
二階の梁は、その上の小屋組の事を考え、小屋束が立つ位置に小屋梁が必要になるため、新しい梁が目立っていますね。 しかし、柱はなるべく古材を残し、見た目上、4割くらい残せたかなと思います。(最終的に築50年の家で、どのくらい構造体を残せたのかをご紹介したいと思います!)
屋根形状が複雑なので、あらかじめ小屋組の伏せ図を作成しておきました。 今回、寄棟形状とした理由は、なんといっても、軒裏の水平ラインを強調したデザインにしたかったからです。 その分、屋根形状は複雑となり、大工さん泣かせの寄木だらけの建物になってしまいました・・・。
二階の小屋梁の施工も終了し、いよいよ次週は、上棟の状況を公開します!
自邸を中古物件を購入しリフォームしたのは、補助金の利用も大きかったです。 国の方針として、新築より、既存住宅のCO2削減するリフォームへの助成が非常に厚く、大規模のリフォームとなると、金額が高いもので、1戸あたり最大で400万円の補助金となる事業があります。
令和6年度は、すでに終了しましたが、「次世代省エネ建材の支援実証事業」を私は活用しました。 この事業は、札幌市では、条件が合えば最大で400万円の補助を受けることができます。 意外と知られていない事業で、松浦建設では、2022年から対応して、今期で3年目です。 来年も事業があるかどうかは、2025年4月に公表されるので、もし新築費用でお悩みの方は、中古物件を購入し、リノベーションをご検討されるのも選択肢の一つだと思います。
メリットは、①既存住宅の解体費用が高騰し、更地渡しの場合は、逆に解体費用を割高で値下げして土地・建物を購入できる事 ②基礎や木材価格の高騰で、メインとなる構造体を残すことにより、大幅なコストダウンをはかられる事 ③国からの手厚い補助金を得られれる事(次世代省エネ建材支援実証事業)など、初期の建設時費用を押さえる事ができますよ!
当初、私自身は新築を建てようとしてていましたが、建設業に携わる人間として、SDGsの「11:住み続けられるまちづくりを」、「12:つくる責任つかう責任」を、今では強く意識しています。 この自邸リノベーションで、可能な限りデザイン・性能を高め、コスト・CO2削減をどこまでできるのかという事への取り組みが、とても楽しみです!
個別現場レポート→「札幌市西区現場監督の自邸」