南区S棟梁さま邸では、基礎工事が完了し、次工程に移っています。 木造住宅なので、次の主役は大工さんになります。 しかし、まだ、やるべき事が少しあります。 それは「大工さんが施工するため」に仮設設備の用意する事と、末永く住まうための給排水設備を配管する事です。
足場を見ると、その建物のボリュームが周囲の方に解ります。 いつも、お施主さまには「基礎工事中は平面的な広さ」をご説明しますが、この後は「建物の高さとボリューム」をご説明します。
建設業の施工管理者の段取りには若干の違いがあると思いますが、私は基礎工事終了後には、最初に外部足場を組みます。 理由は2点あり、 ①土間コンクリート上に排水配管をするとき、コンクリートに固定するので、なるべくコンクリート強度を上げたい。 ②給水配管と排水配管を長い時間、野ざらしにしたくないので、大工さんが入る直前の工程にしたい。 という2点です。 土間コンクリート上に設備配管をするのは、数十年後に劣化した配管を取り替えられるようにするためです(長寿命住宅の維持管理の項目に該当)。
工事の方は、いよいよ大工さんが現場に登場します。 「大工さんが一番最初に現場でする仕事は何か?」というと、いきなり木材には触りません。 実は最初に行う大工さんの仕事は「墨出し」です。 施工管理者である私としても、この墨出しが建物を作るための最も基本的であり、最初の作業で、最も大事な作業だと思います。 常に現場にいることが出来ない私としては、ここが施工管理項目で一番大切です。
「墨出し」とは、巻き尺(スチール、スケール、さしがね)などの計測器で図面通りの寸法を測りだし、文字通り「墨」を打ちます。 木造住宅で最も重要な「土台」を設置するために位置出しです。 建築の一番の見どころと言っても良いかと思います。
実際に土台設置のために出した墨です。 いかがでしょうか? 写真に写っているこの「直角感」。 建築業界ではお馴染みの直角です。 縦横の直角、巾は水平、角はとがっている(ピン角)というのが、とても緊張感があり、私はとても好きです(笑)
個別現場レポート→「札幌市南区 S棟梁様邸」