南区S棟梁さま邸では、コンクリートの打設を行ないました。 今回ご紹介するのは「布基礎(ぬのぎそ)」部分です。 エコットハウス仕様の家は基礎断熱であり、基礎の形状は「布基礎」です。 その他の基礎形状は何があるのかというと、ベース部分を作らないベタ基礎という物もあります。
施工管理者としては、いきなりコンクリートを打設するというわけではなく、型枠の確認を行います。 確認すべき点は、基礎巾・基礎高さ・断熱材厚み(エコットハウスでは、100mmの断熱材を両面につけます。 つまり合計200mm!)・鉄筋のかぶり厚さ・型枠緊結状況(不十分だとコンクリートに押されて型枠が崩壊します。通称「パンク」と言います。)・近隣状況(近隣にご迷惑をかけていないか)。
型枠工事の確認は問題ありませんでした。 自信をもってコンクリートを打設します。 しかし、ちょっと待った!。 そのコンクリートはきちんとした品質の物なのか? 施工管理者なら絶対に確認する事があります。 それはコンクリートの調合です。 コンクリートは、「水」「セメント」「粗骨材」で構成され、その割合で強度が決まります。 なので、納品書(ゼネコンなら受入検査)を必ず確認します。
強度21N/mm2、スランプ(固さ)18cm、粗骨材寸法25mmを確認し、いよいよ打設です。(これは事前にコンクリート強度を打合せし、季節・気温によって変更します。)
本日は「晴れ」。 S棟梁様の基礎工事のメインと言える布コンクリート打設は、気温も暑すぎず、雨も心配ない最高の状況での打設となりました。
ここでも施工管理者が確認すべきことがあります。 それは、基礎(コンクリート)と土台(木材)を固定するためのアンカーボルトです。 アンカーボルトには、「土台アンカーボルト」と「ホールダウンアンカーボルト」を入れています。 後者のホールダウンアンカーボルトは、今後、木造軸組みで柱に持ち上がる力が働くヶ所をあらかじめ計算して設計しています。 なので、構造上重要な金物になります。 この施工管理はとても大切です。 本数・ボルト径・埋込寸法、そして設置場所の確認です。
布コンクリートの打設も天候にも恵まれ、無事終了しました。 この後は、「養生(ようじょう)期間」となります。 建築用語でよく養生という言葉が出ます。 今回はコンクリート養生で、コンクリートの強度がでるまで、「じっと我慢」の期間です。 専門的に言えば、気温が問題ないので、採暖などは行わず、初期強度5N/mm2がでる3日間待ちます。 設計強度は21N/mm2ですが、この強度が出るまで4週間かかります。 8割の強度が出れば力のかかる作業も布基礎であれば大丈夫です。 以上が基礎工事中の最大イベントの布基礎の現場レポートでした。 (現場管理のQ(品質)・C(原価)・D(工程)・S(安全)・E(環境)がすべて含まれる工程です。 きちんとすべてを管理する事が、施工管理者の仕事と言えます。)
来月の5月には、いよいよ木造建て方を行います。 大工棟梁がいよいよ、乗り込みます! (棟梁の計らいで、上棟式を行います。 私としても久々のイベントです。 餅まきもしたいですね!)
個別現場レポート→「札幌市南区 S棟梁様邸」